そんなこんなで50万円の元手はすぐに70万円になった。もう気分はプロのトレーダーだ。
「ぼくって才能あるのかも?」(ないない!)
結構調子にのってレバレッジ50倍で証拠金20万円の取引をデイトレードで続けていた。
数万円儲けては売買を繰り返していたが、直もの足りなくなってくる。わずかな貯えは少しずつ
増えて気が大きくなってきたのかもしれない。今考えると単純平均線のみ見てその傾向で売買して
いただけなのに。
ある時、いつものようにドル円でドルを買った。スワップも少しずつつくし、円高も一服したはずだった。(これは正しいのかもしれない)来週からは函館に妻と旅行に行くことになっていた。
「帰ってきたら旅行代くらいは平気で儲かっているかも?」
なんて幻想を抱きながら携帯を片手に意気揚揚と北斗星に乗り込んだ。
閑話休題
北斗星はただの寝台列車である。イメージのような豪華寝台なんかではない。ベッドは狭いしシャワーすら予約制で一杯である。もし予約がとれても5分しかお湯がでない。トイレまで狭くてきたない。当然テレビは映らない。唯一、奮発した車内のフランス料理だけは結構いけた。それだけだ。
函館に着いて携帯の為替相場をみたら真っ青になった。ドルが急落しているではないか。すでに2円も下がっている。つまりは20万円の損だ。まだ下がりそうな気配だ。(これもまた錯覚なのだが、当たっていた)
せっかくの湯の川温泉も宿を堪能するどころじゃない。夜景だってなんだか遠くの富を象徴しているかのようで美しさも半減だ。次の日だってまた1円、2円と下がっている。ついに含み損は50万円に近づいてきているではないか。ストップを入れておけばよかった。後の祭りだ。携帯じゃトレードできない。できたとしても今損切りする勇気はない。ロスカットの恐怖が迫っていた。
たった20万円の証拠金なのに、数日で50万円損をするなんてことがあるのだろうか。これがレバレッジだ。
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