2008年3月3日月曜日

拍子抜け

辞表・・・正式には退職届と書くのが正しいらしい。
もっともぼくは役員だったから辞表でもいいのだ。大切にしているモンブランの万年筆を執った。どうしてだか自宅じゃ筆が進まない。なんだか虚脱感が漂い、ほとんど何もしないで2日間を過ごした。
妻には「やめる決意をした」と話しただけだった。それだけで特に責められもしなかった。むしろ「生活はどうするの!」「もう少し考えてみたら?」などと言われると思っていたから。心中を酌んでくれた妻に感謝だ。
次の月曜の朝、会社に出勤した。まずは便箋をかばんから取り出して辞表をしたため始めた。一度だけ書き損じてそれでも時間にして10分くらいでしかない。それがぼくの20年間の終焉だった。

辞表の受理はあっけないものだ。特に思い出話をするわけでもなく、再就職の話をするでもなく時間にしてほんの3分くらいだったろうか。
「退職金は出してやる。就職なんてぜいたく言わなければすぐ決まるだろう。」
たったそれだけだった。

ここからぼくの転身ストーリーは始まる。それが華麗なものであって欲しいと願う。どう展開するのかまだわからない。

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