2008年3月1日土曜日

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「解任だ」
バツが悪そうな声が耳に残り、伏し目がちな社長の顔が目に焼きついた。
中小企業ではあるものの、取締役まで務めていたぼくにとっては人生最大のショックだった。
「社員として残るなら閑職を準備して温情で残してやる。」
そのような内容の台詞が続いた。(おそらくこんな直接的な表現ではなかったが、少なくとも意訳するとこういうことだ。)
「考えておきます・・・」そう答えるのが精いっぱいだった。

実は予想していたことだ。
このところ心から信頼していた社長の発言がずっとひっかっかっていた。何から何までぼくのことが気に入らないらしい。すべてをネガティブにとらえて評価されるものだからかなり滅入っていたことも事実。奈落の底に突き落とされた感覚と同時に自らが意識しない安堵感が心を埋め尽くしていった。

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